2022/02/28
「抗がん治療は難しい」
カールちゃんの話
ふじみ野市の大井みどり動物病院です。
リンパ腫の抗がん治療は、すごく難しいです。何が難しいかというと、嘔吐や食欲不振、骨髄抑制など、副作用が生じた場合に、どう対応するかが、難しいのです。あらゆる疾患を考慮する必要があります。
2005年頃、リンパ腫の抗がん治療が日本に導入され、林宝どうぶつ病院(現 埼玉動物医療センター)で行った最初のワンちゃんがゴールデンレトリバーの「カールちゃん」です。
私が主に、カールちゃんに抗がん剤投与を行いました。いわゆるCHOP療法という、薬剤の組わせで行った治療は、当時、日本では珍しかったと思います。
運良く、副作用はほとんどなく、薬を確実に投与するだけで良かったのです。リンパ腫は寛解し、治療に苦慮することがありませんでした。抗がん治療には、マニュアルがあり、順番に検査をしたり、薬剤を投与すればいいので、経験が浅くとも、うまくいく場合があります。
ただ、副作用が生じた場合は、様々なことを考える必要があり、ここで正しい対応をしないと、命を脅かします。この時、内科学の総合知識が問われます。
そのマニュアルは便利でよいのですが、臨床には臨機応変さが問われますので、その通りに行うことに専念してしまうと、視野狭窄に陥り、様々なことを見落としてしまうことがあります。
その後、何度も抗がん治療を行ってきましたが、不思議と、経験を重ねるほど、難題に直面することが多くなってきています。
当院では、何度も考え、副作用を乗り切るように、よく考え治療にあたっています。
ところで、先日勤務医が行った、最初のリンパ腫の抗がん治療は、ほとんど、副作用を起こさず、一通り終わりました。私と同じで、最初は難題には巡り合わないようです。
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