2022/03/11
「骨の折れる話」
ふじみ野市の大井みどり動物病院です。
骨折の手術など、整形外科の手術は経験を積むのが難しく、我流になりやすく、なかなか、正しい技術の習得は大変です。
私は、ある先生に師事し、整形外科手術を学びました。面識はありませんでしたが、突然の私の手術の見学希望を快く、受けてくださりました。
その後、私の病院の患者で、整形外科手術が必要な時、その先生病院まで連れていき、一緒に手術をさせてもらい、技術を学ばさせていただきました。
おかげで、一般病院で必要な整形外科手術は正しい方法でたいていできるようになりました。感謝しきれません。ありがとうございます。
でも、この数年は骨折の手術をほとんどしていません。なぜなら、足の骨折はギプス固定で、すべて治っているからです。でも、医療としては正攻法ではなく、普通ギプス固定は推奨されません。ですから、ご家族にしっかり説明し、同意を得ます。
手術もギプスもともにメリットとデメリットがあります。
結局は、自分で骨折したところを治すしかありません。治す力がなによりも重要です。
私はギプスの最大のメリットは、動物の治癒力を最大限に得られることにあると思います。メスをいれ、骨や骨折部を空気に触れさせると、治癒をいちじるしく阻害します。骨折部には血溜まりができますが、あれが肝です。手術するとこれがなくなってしまいます。
体の治す力は凄まじいものがあり、ある程度ズレは全く許容できます。若いほど、凄まじい反応で、骨を治します。治す過程で骨が倍くらいの幅になり、それが、元通りの太さにもどっていくのを見たときは、驚愕しました。この反応は骨折部を切開すると起こりません。
また、手術でのインプラントは骨を痩せさせたり、再骨折をおこしたりすることがあり、後日、手術でインプラントをとったりすることもあります。数年はは安心できません。適切な方法でない場合、インプラントが干渉し、骨が消えていくことがあります。
最初のギプス固定で治れば、もうおしまいです。手術の痛みもありません。
今まで、ギプスで骨折が治らなかったことはありません。
ただ、ギプスを巻く技術は難しく、強すぎる固定は、足を腐らせることがあります。それなりの経験と技術が必要で、簡単な訳ではありません。
写真は15歳のワンちゃんで、順調に骨が治ってきています。
両方の治療法をよく知ることで、骨折治療に対する、広がりと、深みがでます。骨折の手術を学んだことは全く無駄ではありません。
ただ、ギプスで治すと病院として利益が減少しまいました。
当院は、さまざまな治療方法は日々更新し、新しくしていきます。また、痛くない、動物の治す力を最大限に活かす治療を心がけています。
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