2022/11/12
しこりの手術
目的が大切
ふじみ野市の大井みどり動物病院です。
悪性腫瘍は「転移」することがあり、転移による、臓器の機能不全が起きることで、亡くなります。
完治を目指し、しこりを切除することは、転移を防ぎ、延命につながる可能性があるので、なるべく早く、切除することがよいとされています。
がんの手術の一番の目的は、延命です。延命と引き換えに、手術やその術後の後遺症のリスクを許容するのです。(「延命効果」に関して、獣医学ではあまり議論されていないように感じています。)
例えば、片側の腎臓をひとつ、あるいは、足を一本失うかわりに、1年間一緒にいれる時間が得られる可能性がある、など、具体的な延命期間の目安が、わかれば、大きな手術をするかどうかを、考慮しやすいと思います。
しかし、犬猫では手術により、どれくらい延命が得られるかは、ほとんど、わかっていません。(研究でこれを調べることは難しいです)
おそらく、犬猫のがんの専門医にたずねても、延命期間どころか、延命効果自体がえられるかどうかも、わからないでしょう。(一部示唆する報告がありますが、質がよくないエビデンスです。)
逆に手術により、がんが、進行する可能性もあります。
一方、腫瘍が大きくなって、排泄困難を解消する手術や、痛みの軽減のための手術は、有効であり、手術をしない場合に比較し、延命効果が得られる可能性が高いです。その他、しこりを切除することは、診断に有効です。
「しこりがあるから、切除しましょう」は、短絡的な考えであり、手術の目的を考えることが重要です。
必ず、手術には様々なデメリットが生じます。しこりを取りきれたら、治ったと考えがちですが、それほど単純なものではありません。
手術の目的をしっかり設定することが大切です。
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