2021/01/10
「先生食べちゃいました。」
ふじみ野市の大井みどり動物病院です。
単純なのに難しい・・
ふじみ野市の大井みどり動物病院です。ある家族のビーグル犬が、「竹串を誤飲した。」と慌てて、病院にお越しになりました。
レントゲンやエコー検査では、竹串は見つかりませんでした。これらの検査で問題がなくとも、竹串がないとは言えません。竹串はレントゲンやエコー検査でははっきりわからない場合の方が多いのです。
竹串が、お腹の臓器を串刺しにすると急死する場合があり、早急な対応が必要です。過去に肝臓に刺さっていたことがあります。
でも、ご家族の話以外に、竹串を飲んたという証拠は何もありません。
異物の種類など、様々な状況から、様子をみることもありますが、竹串ですので、はやく対応しなければなりません。
限られた情報から、胃か腸にありそうで、内視鏡で摘出できないなら、開腹して、摘出するのがよいと考えました。(緊急性があり、CT検査の設備はなく、バリウム検査は内視鏡や手術に悪影響がありますので、それらの検査は除外。)
誤飲の場合、ご家族が食べたといっても、実際は食べてないこともありましたので、再確認しました。
「竹串は、本当に食べましたか?実際みましたか?」
「家の中をくまなく探しましたが、どこにもありません。」
「異物の診断は難しいことが多く、お腹の中に竹串があるかどうかは今回の検査ではなんとも言えません。もし、誤飲しているなら、早急に取り出す必要があり、様子をみることはできません。仮に、胃カメラでない場合や、摘出不可能な場合は開腹して、確かめます。」
過去の経験から、実は食べていなくて、ご家族の勘違いだったという経験があありますので、
「竹串が自宅に本当にないか、もう一度確認してください。」と伝えました。
「やはり、どこにもありません。」
そして、内視鏡検査で見つからず、開腹しました。胃腸をくまなく、触って確認しても、竹串はありません。手術中電話がありました。
「庭に落ちていました・・・。」
という経験があります。
誤飲の対応は、単純ですが、難しいのです。臨床の様々な技量が要求されます。
ワンコ本人が、食べたかどうかを答えてくれたら、と何度思ったかわかりません。
誤飲には、注意しましょう。
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