2023/02/08
手術は準備が半分
ふじみ野市の大井みどり動物病院です。
犬猫のペニスに結石が詰まり、おしっこがでなくなることは珍しくありません。
普通は、尿道カテーテルで、詰まりを解消することができます。
今まで解除できなかったことは一度もありませんでしたが、昨日お越しになった猫さんは、どうしても解除ができなかった、初めてのケースです。
様々な小技があるのですが、それらを駆使しても、無理でした。
おしっこが出ない状態は緊急事態であり、なんとか出せる状況にするのが、私達の仕事です。2日間、尿が出せないと命の危険があります。
尿道を造影すると、およそ閉塞している場所がわかりました。
特殊な器具を使えば、膀胱切開して、膀胱経由で、とれるかもしれません。
取れなければ、会陰尿道ろうという手術が必要です。ペニスを切開し、尿路を作成します。これはできれば避けたい最終手段です。
また、石はレントゲンで写っていないので、石が原因でない可能性もあります。尿道痙攣や、尿道自体に何か問題があるかもしれません。
ダメージコントロールという概念を考えれば、膀胱にカテーテルを設置し、ひとまず尿だけでるようにして、その間に原因と対処方法を吟味し、場合によっては高度医療施設を紹介することもできます。
緊急性があり、いろいろなケースが想定されるので、様々な事前準備が必要です。
手術の半分は準備で決まると思います。
限られた時間で、様々なシュミレーションを考え、同時に、ご家族にそれらを説明し、翌日手術に臨みました。
麻酔がかかったところで、もう一度、カテーテルによる解除を試みたら、すんなり、閉塞が解除できました。
大きな手術になる可能性がありましたが、一切メスをいれることがなく、負担をかけず、解決できました。一番よい結果です。
こちらは、手術準備、シュミレーションなどで、非常に労力を割きました。それらの請求できませんが、こういったことは日常茶飯事であり、医療や仕事とはこういうものです。
この様な経験は決して無駄ではなく、糧となり、次回に活きるのでしょう。
それから、ペニスの手術になっても、包皮をうまく使い、一般的な手術よりかなり合併症を低減した見た目がよい手術を行っています。
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