2023/02/12
塩分について
ふじみ野市の大井みどり動物病院です。
犬や猫にどれくらの塩分を与えるのが理想的かはよくわかっていません。
そもそも、人でも議論があり、厚労省やWHOが定める1日の量でさえ、その量を否定するような研究報告もあります。心不全の人では低塩食の方が入院率が高いという報告もあります。どのくらいが適量かは、人ではよくわかっていません。
犬猫でも同様で、不明なことばかりです。
逆に塩分制限しすぎると、具合が悪くなるのは、明白ですので、下手な塩分制限はリスクを伴います。
心臓病のとき、利尿剤を投与することがありますが、体内の塩分と水分が減少します。この状態で、減塩を行えば、体調を崩す可能性もあります。
権威のあるアメリカの組織、ACVIMは僧帽弁閉鎖不全症のガイドラインを作成しており、減塩を指導していますが、指示が曖昧であり、どう実行すればよいかわかりません。
しかも、根拠となる論文は一つのみで、曖昧な結論であり、減塩がよいとするには、疑問があります。更にある企業のドッグフードを使用しており、利益相反が気になります。
一方、ペットフードを作る上で重要な栄養素性の指標を掲げているAFFCOという団体は、塩分の上限を定めていません。なぜでしょうか?よくわかりません。塩分が多いと、おいしくなるし、喉が乾き水をよく飲むようになるので、尿石症の予防や治療にはよいかもしれません。上限を定めないのはフードやおやつを製品化しやすくなるためではないことを願っています。
犬や猫は肉食動物です。獲物全体を食べたら、どんな塩気かわかりませんが、いちばん塩見がある部位でも生理食塩水くらいだと思います。生理食塩水は、ほんのり塩辛いので、その位が適塩かもしれません。
減塩についてある循環器科の教授に質問しましたが、よくわからないとのことでした。その教授は大学や獣医師向けの雑誌でも減塩指導をしています。
おそらく、世界中の獣医師で、どのくらいが適塩かどうか、心臓病でどのくらい減塩すればいいのか、しないほうがいいのかなど、塩分量とその根拠を正確に答えられる人はいないと思います。
私は塩分制限より、「糖質」制限が重要だと思います。仮説は割愛しますが、心臓にも好ましいエネルギー代謝となり、有効だと考えています。おそらく、特別な疾患がない限り、必須糖質はありませんので、糖質ゼロでも、人も犬も猫も暮らしていけます。多分、いまの犬猫の平均的な糖質摂取量は多いのではないかと考えています。
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