2023/03/13
シャンプーは痛い?
ふじみ野市の大井みどり動物病院です。
「傷は消毒しない」は、常識になりました。
消毒により細胞や常在菌が障害をうけるからです。
ところで、一般的なシャンプー剤には「界面活性剤」という、洗浄剤が入っており、泡立ちます。
界面活性剤には、「乳化」という作用があり、消毒と同じように、細胞や常在菌に障害を与えます。(理屈は高校の化学で習うらしいです)
よって、界面活性剤の入ったシャンプーは消毒と同じように、皮膚に悪影響を与える可能性が高いです。
皮膚は、あぶらや常在菌によって、守られていますが、これらの絶妙な連携プレーや働きを、界面活性剤は破壊します。
達人であれば、不要なあぶらや汚れのみを、効率よく、落としてくれるかもしれませんが、多分無理でしょう。
健康な皮膚であれば、シャンプーで障害を受けても、ダメージは少なく、実害はないと考えられます。
逆に、炎症がある皮膚、皮膚バリアが低下している皮膚病の場合に、ダメージを受けやすくなるのは、理屈でわかります。もしかしたら、シャンプーにより悪化するかもしれません。
私は、原則シャンプーを処方しませんが、動物病院で長年ベストセラーのシャンプーは、消毒薬と界面活性剤が、ともに入っています。
消毒が、根拠の没しい「習慣」であったように、シャンプーは同様な「習慣」であると考えます。消毒は「悪習慣」であったということになり、シャンプーも同様になるのではないかと予想しています。
おそらく、お湯のみで洗うのが無難です。(うちの犬はシャンプーを使いませんが、洗う必要がなく、今年は一回も洗っていません。でも、サラサラでよい匂いがします)
体からでる汚れは、お湯で落ちるようです。
例外として、食用油、車のオイルの汚れ、など、人工的なギトギトのあぶら汚れが付いてしまったときは、シャンプーの出番だと考えます。
犬猫は人に比べると皮膚が薄いので障害を受けやすく、シャンプーを嫌がる原因のひとつに、「界面活性剤による痛み」があるのかもしれません。
歴史をみると 後に、悪習慣であったことが判明した医療も数多くありますので、疑うことが大切です。
当院の他の勤務医やほとんどの獣医師が、シャンプーを処方しますが、それを否定しているわけではありません。それぞれ、いろいろな治療方針や考え方があって、よいのだと思います。それによって議論が生まれ、医療が進歩します。
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