2023/03/26
うまい骨髄検査あります
ふじみ野市の大井みどり動物病院です。
骨髄に骨髄針をさして、細胞や組織を採取する、「骨髄検査」があります。
この検査をするときは、内科の総合知識を問われることが多く、珍しい疾患だったり、今後の治療を決定する上での、重要な検査になり、失敗ができません。
状態も良くなく、血が止まりにくい場合も多く、ここに全身麻酔をかけ、太い針を、小さな動物の骨に刺す必要があり、リスクもあります。
免疫疾患なのか、腫瘍なのか、感染なのかなどを、鑑別する上で非常に重要であり、治療が大きく変わってくるため正確な診断が必要であり、たいてい、この検査が診断の要になります。
一般病院ではあまり行っていないように思います。おそらく、この検査は知識と技術面で、ともに難しいからです。理由は具体的に以下のことが考えられます。
- 動物の状態がよくない場合が多く、麻酔をかけるが、短時間終わらせる必要がある
- 一発できめないと、やり直しが難しい骨髄内にうまく針をさすことが難しい
- 吸引するとき、たくさん血液が入ってしまうと、希釈されてしまう
- 細胞は非常に壊れやすく、すばやく骨髄をうまくスライドガラスに塗らないと、良い標本ができない
- 染色もうまくやらないとよい標本ができない
- 骨髄検査が適応かどうか、内科の知識が問われるめったにない検査
- 原価は麻酔と骨髄針くらいですから、ほぼ技術である
標本と診断過程ををみれば、獣医師としての、内科の総合技量が多分わかります。
適応を考え、骨髄検査を行い、診断する過程は、内科学の卒業試験みたいなものだと思います。
当院では、美しい標本を作成することができます。
この美しい標本の作り方を直接教えてくれる人はおらず、自ら断片的な情報を集め、試行錯誤し、研鑽することで、可能になりました。
年に1回あるかないかなので、不謹慎ですが、この検査をする時は、少し楽しさを感じます。
きれいな、診断に役立つ美しい標本ができると、獣医師として一人前になったなと思うのです。
でも、めったに無い検査ですから、勤務医に承継するチャンスがないのと、短時間で終わらせないといけないため、自分でやってしまう現実があり、少々はがゆい現実があります。
たいてい、一発で取れ、30秒ほどで、あっという間に終わります。心の中で自画自賛しているのですが、これが、勤務医や看護師、ご家族には伝わらない、ところが少し、歯がゆいです。
動物医療ではハードでなく、ソフトが大事だという、一例です。骨髄自動採取器は売っていません。
と書きましたが、慣れれば採血みたいなもので、誰でもできます。場数がないだけです。染色も正しいやりかたであれば、誰でもできます。
当院には「うまい骨髄検査」あります。(でも、まだ、人の成書に載っているレベルには到達できていません。顕微鏡の性能もあるのでしょうが、あのようなきれいな標本の秘訣を聞いてみたいものです)
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