ふじみ野市
大井みどり動物病院
水曜休診 
夏季休業なし
10時〜

2023/04/03

急な下痢に治療はいらない

よい傾向なら大丈夫
 
 
 

 

ふじみ野市の大井みどり動物病院です。
 
 
急な下痢で、受診するワンコはほぼ毎日いらっしゃいます。
 

実は、下痢以外に問題がない場合、必ずしも薬は必要ありません。

 

検便で、寄生虫がいないなら、無治療で、ほぼ確実に治ります。

 

私は、飲み薬を処方せず、何もしない場合も珍しくありませんが、多分少々異端です。

 

下痢を止める薬を使うと、逆に治りが遅くなる可能性があります。

 

抗菌薬も使用しません。多くの病院で習慣的に使用しているメトロニダゾールという薬は副作用を起こす可能性があり、ごく僅かに治癒が早くなるかもという報告はありますが、耐性菌を増やすこともありますし、神経障害の副作用の可能性がありますし、腸内の細菌も影響を受けます。大切な腸の細菌叢が戻るまで、数ヶ月かかるかもしれません。

 

薬を使わないで治るなら、使う必要はないと思います。風邪と同様です。風邪で、解熱させると、治りが遅くなります。昔、スペイン風邪で死者が多かったのは、解熱剤の量が多かったためだと考える専門家もいます。

 

でも、吐き気があったり、飲水できない、脱水がある場合は、輸液や吐き気止めを使用します。急性膵炎など、重病なこともあるので、改善傾向がないなら、翌日の来院を指示します。

 

当院の勤務医は、注射薬や止瀉薬をたいてい使います。私はほぼ使用しません。ただ、医療的には正しいので、自分の考えは話しますが、指導はしません。

 

でも、薬を使ったほうがよいという、明らかな根拠が今後でてくれば、方針を速やかに変えるつもりです。

 

薬は、諸刃の剣であり、体の治癒する働きを阻害する医療をしないように、当院では治療にあたっています。

 

と考えている矢先に、急性下痢から、細菌が全身にまわり、敗血症を起こしたワンコが先程退院しました。命の危険がありましたが、早急な治療で、元気になりました。

 

このワンコは高齢で、心臓や腎臓病をわずらっており、治癒能力がもともと弱かったことが、敗血症を起こした原因だと考えています。

 

急性下痢だからすぐ治ると、高をくくっていると、不思議とこのような戒めのようなことがおきることは珍しくありません。

 

急性下痢でも、よい傾向がないときは、受診が必要です。

 
 


 


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