2023/07/26
肥満細胞腫が消えた?
ふじみ野市の大井みどり動物病院です。
「肥満細胞腫」という犬でよくみられる悪性腫瘍があります。そのスタンダードな治療は、手術や化学療法です。
この肥満細胞腫が「ケトン食」という、脂肪から主にカロリーをとる糖質を制限した食事で、肥満細胞腫が消えたという症例報告があります。獣医学での報告としては世界初のようです。
生の鶏もも肉、有機生卵、ココナッツオイル、犬用ハイイログマ油、が食事内容です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10086349/
写真はここの報告を参照
古典的な栄養学からみると、脂肪がかなり多く、膵炎を起こしやすいと、判断されそうな内容です。普通の獣医師はやめなさいと言うでしょう。
更に、「生肉」ですから、多くの獣医師の団体や栄養学の先生には強く反対されてしまうでしょう。多くの獣医学の団体や個人が、生肉や生卵は与えないよう啓蒙しています。でも、この犬は生肉、生卵、オイルで、がんが消えました。
このケトン食の前、生やさいと調理された魚では、腫瘍は消えなかったようです。一般的には、こちらの食事内容の方が健康によい感じがするでしょう。
1例報告であり、この食事で、本当にがんが消えたかはわかりませんし、一般的にケトン食のがんに対する効果については、よくわかっていません。こちらもそれを証明する質のよい報告はありません。
しかし、人では日本ケトン食療法学会が2022年に設立されました。ケトン食の効果が徐々に証明されてきています。人でもがんがケトン食で消えたという報告がいくつかあります。
ケトン食だけで、がんを治すことは難しいと思いますが、がんの予防効果はあるかもしれません。
もし、本当にその食事でがんが消えたのなら、その食事が健康に悪いとは考えにくいです。
それから、その食事には、野菜は含まれません。犬に毒性を与える食べ物は、多くが植物性です。もしかしたら、犬猫に野菜など植物性のものは必ずしも必要ではない可能性はあります。
ところで、私は、面白そうなので、日本ケトン食学会に、入会してみました。おそらく、獣医師では入会した方はほとんどいらっしゃらないと思います。
受付時間
受付時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日祝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
9:50-12:45 | ○ | ○ | 休 | ○ | ○ | ○ | ○ |
15:50-18:45 | ○ | ○ | 休 | ○ | ○ | ○ | ○ |
水曜休診
夏季休業なし
12月30日から1月3日休診