ふじみ野市
大井みどり動物病院
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2023/11/12

インスリン抵抗性について

病気の黒幕?
 
 
 

 

ふじみ野市の大井みどり動物病院です。
 

インスリンは血糖値を下げる働きがあることで、よく知られています。
 

人では、「インスリン抵抗性」という用語があり、インスリンが効きにくい状態を示しています。体はインスリンをたくさんつくることで、なんとか対応している状態であり、高インスリン血症になります。

 

インスリン抵抗性があると、血糖値が高い、ことが多いです。

 

人の2型の糖尿病では、糖尿病を発症する前に、この状態が先行しています。

 

犬猫の医療の現場でも、同じ用語が使われています。でも、この意味は、注射のインスリン「製剤」が効きにくいことを指すことが多いようです。

 

つまり、犬猫では、インスリン抵抗性は、ある専門医によると「インスリン注射製剤の抵抗性」のことのようです。(紛らわしいと思います)

 

海外の研究報告では、人と同じ、正しい意味の用語が使われていますが、日本では注射製剤によるものが一般的な認識なのかもしれません。

 

もしかしたら、獣医学では、体内で作られたインスリンが、効きにくいという概念自体があまりないのかもしれません。人のように、血液中のインスリンを測定することは一般的ではありません。インスリンを膵臓のがんを疑う時以外に測定することは殆どないと思います。糖尿病の時に測定する専門医はごく一部のいらっしゃるようです。

 

犬猫で血糖値は、緊張や興奮で上がることがよく知られているので、血糖値が高いとこれを疑うことが一般的で、インスリン抵抗性は、見過ごされている可能性があります。

 

犬の糖尿病は少々特殊で、「インスリン抵抗性」は生じにくい可能性がありますが、猫の糖尿病は人と似ているので、それが生じている可能性は十分あります。

 

インスリンには実は、負の働きがあります。人では、高血圧、がん、アルツハイマー病、など、様々な慢性病と関連があります。脂肪を溜め込む、肥満ホルモンと呼ぶ方もいます。

 

すごく太っている犬猫は、おそらく、血糖値が正常でも、インスリン抵抗性があり、インスリンがたくさんでている可能性が高いです。

 

肥満は様々な疾患に繋がりますが、その本質はインスリン抵抗性かもしれません。なるべくインスリンを追加分泌しないことは、健康に寄与すると思います。

 

また、糖尿病の時、注射のインスリン製剤が効きにくい場合は、なにかしらの病気が隠れている可能性がありますが、その場合、おのずと、投与するインスリン量が増えます。

 

高インスリン血症のところに、高用量のインスリン製剤を投与するわけですから、インスリンが非常に多い状態になります。

 

インスリンが多い状態は、肥満になりやすくなり、様々な病気になりやすくなる可能性がありますので、インスリン治療は難しいといえます。





 


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