ふじみ野市
大井みどり動物病院
水曜休診 
夏季休業なし
10時〜

2024/01/09

8分間

タランティーノの映画から
 
 
 

 

ふじみ野市の大井みどり動物病院です。
 
 

クエンティン・タランティーノの映画の中のセリフで、「人の精巣を切り取ると、出血多量で、8分くらいで絶命する」というような意味のセリフがあったのを記憶しています。
 

動物病院では、精巣を取り除く去勢手術を日常的に行っているので、その出血がかなりのものだということはよく理解でき、多分そうなると思います。

 

精巣には動脈血管が入っています。去勢手術ではこの血管を糸で結紮したりして血流を止め、精巣を取り出します。

 

今まで、当院では手術の合併症としての結紮不全による出血経験はありませんが、タランティーノのセリフのように、犬の場合も、確かに、結紮しなければ、8分くらいで、出血性のショックを起こし、死亡する可能性が高いと思います。

 

逆に猫は、血管が細いので、同様なことは起きないのではないかと、予想しています。むしろ結紮しなくとも、問題が何も生じないのではないかと考えています。

 

というのは、勤務医のとき、実は猫の精巣を切除した直後、血管を縛りそこね、切りっぱなしの血管が、腹腔内に戻ってしまったところを見たことが、一度あります。

 

開腹手術し、その血管を確認しましたが、血管の断端からの出血はありませんでした。血管が縮んで、自然と出血を起こさなかったようで、出血はまったくありませんでした。

 

犬ではお腹の中での出血の合併症が生じたことは見たこともあるし、聞いたこともありますので、緊急な対応が必要になることは間違いありません。

 

よって、確かめようはありませんが、タランティーノのようなことは、人と犬に該当し、猫では問題は起きないと推測しています。

 

猫のほうが、血管が相対的に細く、血管が縮みやすいのかもしれません。また、猫は犬に比べると、全般的に出血しにくく、問題になることが少ないと考えています。

 
 
 

去勢手術のとき、当院では、二重で、しっかりと縫合糸で、犬と猫も結紮しています。場合によりシーリングデバイスを併用することもあります。

 

縫合糸を使わず、精巣の血管自体を結ぶやり方がありますが、手術として、不適切と考えており、当院では行いません。

 

その結紮ひとつにも、大きな責任がのしかかっているので、動物病院の仕事も大変です。


 


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