2024/01/30
犬の不思議な病気
ふじみ野市の大井みどり動物病院です。
明白な炎症や外傷など明らかな原因が検出されないのにもかかわらず、細胞が消失してしまうような、私が不思議だと感じる、犬の病気を3つご紹介します。
1.「β(ベータ)細胞」が消える(糖尿病)
膵臓のβ細胞からはインスリンが分泌されています。インスリンは血糖値を下げるなど様々働きがあり、生命維持には不可欠です。
β細胞がなくなると、血糖値が高くなり、糖尿病になります。何故か、このβ細胞がなくなってしまうのです。免疫異常は一部示唆されていますが、なぜ消えるかは詳しくはわかっていません。
2.「肛門周囲の筋肉」が消える(会陰ヘルニア)
肛門の周囲は様々な筋肉で覆われており、排便機能の一部をつかさどっています。去勢してないオス犬に生じることが多く、それらの筋肉が、消失してしまい、排便が難しくなる病気が、会陰ヘルニアです。
体中に筋肉は存在しますが、お尻まわり以外の筋肉で同様なことは、起こらないようです。人ではない病気です。
3.「前十字靭帯」が消える(前十字靭帯断裂)
体の中の一番太い靭帯に、前十字靭帯があります。膝関節の中にあり、ももとすねの骨を連結している靭帯です。靭帯の線維が徐々に少なくなり、切れてしまいます。人では、スポーツで生じることが多く、外傷性です。
外傷性は当院で一例経験がありますが、ほとんどありません。犬のような切れ方は人では起こっていないと思います。
「消える」という表現は適切でないかもしれませんが、明らかな炎症や免疫異常が観察されないことが、それらの共通点です。
なぜ、そこの細胞のみターゲットにされるのか、不思議です。
遺伝、免疫異常、ホルモン、食事、AGEs、生活環境、アポトーシス、インスリン抵抗性、などが複合的に絡んでいると考えます。
これら3つの病気は、当院で対応が可能です。ご相談ください。
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