2024/05/13
「はい、犬は肉食動物です」3
ふじみ野市の大井みどり動物病院です。
肉に比べれば、自然のでんぷんはまずいでしょうし、消化しにくいでしょう。特に昔の果実や芋類は、現代のものとは似つかず、好んで食べてなかったかもしれません。美味しいものもあったかもしれませんが、緊急時や飢餓時あるいはラッキーアイテムしてであり、あまり口にしていなかったと考えられます。研究を見ても、それらはほぼ無視できます。
俗に、獲物の消化管の内容物も食べることで、同時に植物摂取すると言われていますが、実は好んでは食べないようです。考えてみれば、吐物や便を食べるようなものですから、それはそうでしょう。栄養素の豊富な内臓、エネルギーとして有利な脂質を好んでいたはずです。そして、それらは、美味しいはずです.
極端言えば、植物性の食事はオオカミには不要かもしれません。少なくとも、飢餓時などの場合を除き、エネルギーを植物からとることは非合理的と考えます。
周知されている犬が食べてはいけない食品、ネギ、にんにく、ぶどう、などはほぼ、植物性です。また、例えば、生米はそのままでは消化できませんが、炊けば消化できます。加工しないと消化できないのは、もともと食べていなかったものなのでしょう。犬は植物を消化吸収するのは得意ではないのでしょう。毒性面からも、植物食品はデフォルトではないという見方ができます。
一言で言えば、犬は肉食動物だから、肉を食べるのが良い、ということなのですが、獣医学のテキストなどで、そのような記載を見たことがないのは、不思議です。
ちなみに、人と犬の消化器は実は似ています。人と近縁と考えがちの猿は雑食動物だと言われていますが、猿の消化管は人のそれとは大きく異なり、むしろ人は犬にかなり近いようですので、人では猿の食事はあまり参考にならないかもしれません。
ということは、考えられているより、人も、肉食性が強いかもしれません。
そう言えば、肉食のエスキモーはいわゆる加工度が高く、糖質の多い現代食の移行に伴い、様々な疾患が増えたことは有名です。
昔のエスキモーのそり犬の主食は、肉食だったと予想しますが、エスキモーが健康なのと同様に、その犬たちも健康だったかもしれません。
MANN, N. (2007), Meat in the human diet: An anthropological perspective. Nutrition & Dietetics, 64: S102-S107. https://doi.org/10.1111/j.1747-0080.2007.00194.x
Bosch G, Hagen-Plantinga EA, Hendriks WH. Dietary nutrient profiles of wild wolves: insights for optimal dog nutrition? Br J Nutr. 2015 Jan;113 Suppl:S40-54. doi: 10.1017/S0007114514002311. Epub 2014 Nov 21. PMID: 25415597.
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