2024/06/23
お金と医療2
ちなみに、料理人に、例えば、一万円の「お任せ料理」を頼むと、職人魂を刺激し、期待以上の料理を提供してくれる場合があると聞いたことがあります。その料理人の気持ちはわかりますが、医療には当てはまりません。
コスト制限がある医療はリスクが伴いますので、推奨できません。検査なしで、安く治ることがあるのも事実ですが、医療として適切ではありません。コスト制限することで、病状がこじれたり、かえって高額になったり、手遅れになる場合さえあります。
当院では値上げをしないよう、回収できない医療設備投資はなるべく控え、いろいろ工夫し、原価を下げるよう努めています。
実は、広告は、このホームページくらいで、お金をかける宣伝は一切していません。看板は1枚もありませんし、グーグルなどの広告も、なにもしていません。来院促進パフレットなど、新規顧客開発のための施策は行っていません。
そういえば、サイゼリアも広告や宣伝をほとんどしていないようです。宣伝費をかけるくらいなら、「おいしくて安く」をお客に還元する方針らしいです。
当院のご家族で、近隣に数店舗展開するある焼肉店の会長がいらっしゃいますが、サイゼリアと同じく、「おいしくて安く」で、事業を一代で拡大したようです。飲食業においては、その考えは非常によいと考えます。
当院にもその姿勢はありますが、医療において、「良質と安い」を両立するのは、非常に実現が難しいと考えています。やはり飲食業とは違います。
良質な医療と安さを両立させるため必要なことを考えると、高い診断能力があれば、適切な検査をチョイスし、最短時間で、確定診断に辿り着けます。適切な治療法を知っていれば、効率的に短期間で治療効果が得られます。また、対応が難しい場合、高度医療施設に紹介した方が良いかの判断、その適切な施設の選択ができれば、結果、余計な時間やコストがかかりません。
また、ご家族の背景、例えば、経済状況、ペットや家族構成、医療に対する価値観、通院しやすさ、などを総合的にに考え、1番良い選択肢を提示し、導くことができれば、その結果、余計な出費がない、満足のある良質な医療につながります。
一般的な経営センスとして、病院の外観や建物に異常にコストをかけたり、ペイできない医療機械に過剰投資したり、過剰な人件費は、必ず、それはご家族への請求に上乗せされ、医療費は高くなりますので、適切な投資ができる能力は必須です。
ようするに、安くて良質な医療の実現は、難しいですが、的確な診断や治療により、無駄を省く合理的対応は、安くて良質な医療につながるでしょう。
といっても、安いか、良質かどうかは、客観的な基準がありません。それは、医療を提供されるそれぞれのご家族が判断することですから、ご家族が「安くて良質」と判断すればそれはあるでしょう。
一方獣医師側は、「安くて良質」な医療はないと考えることが多いでしょう。それは視点が異なるからだと考えます。
それから、ご家族は、普段から、もしもの時に備えて、貯金しておくのがよいです。動物保険が活きるケースは少ないので、保険会社に払うくらいなら、その費用を貯金する方が、理にかなっています。目安として、一頭あたり、一日、100円を貯金をしておき、もしもの時に備えていくのが良いと思います。
とにかく、やむ得ない事情で、医療費を工面できないときは、具体的な金額をお伝えしていただければ、リスクはありますが、その中で一番合理的で現実的な対応をいたします。
受付時間
受付時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日祝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
9:50-12:45 | ○ | ○ | 休 | ○ | ○ | ○ | ○ |
15:50-18:45 | ○ | ○ | 休 | ○ | ○ | ○ | ○ |
水曜休診
夏季休業なし
12月30日から1月3日休診