2024/07/26
ペットにお金をつかうと幸せになるか
ふじみ野市の大井みどり動物病院です。
ペットにお金を使うことが幸福感にどのような影響を与えるかについて、いくつかの研究が行われています。
ある研究では、「ペットにお金を使った時の方が自分自身にお金を使った時よりも大きな幸福感を感じる」ことが報告されました(White et al., 2021)。
別の研究では、「ペットを飼っている人は、飼っていない人よりも生活に対する満足度が高い傾向がありました」(Bao & Schreer, 2016)。
また「ペットにお金を使った時により大きな幸福感を感じる傾向がある」ことが示されています(Herzog, 2011)。
このように、ペットにお金を使うことは、幸福につながります。
でも、一部の状況ではペットにお金を使うことが負の影響を及ぼすこともあります。
例えば、「ペットへの支出が財政を圧迫し、心理的ストレスを増加させる可能性があります」。(Ridgway et al., 2008)。
さらに、「ペットの飼育に伴うコストが生活費を圧迫し、経済的ストレスを引き起こすことがあります。このような場合、ペットにお金を使うことは必ずしも幸福感を増すとは限りません」(Ory & Goldberg, 1983)。
また、「ペットが病気や怪我をした場合、ペットの医療費が家計を圧迫し、財政的ストレスを引き起こすことがある」(Maharaj et al., 2018)ともあります。
「ペットとの関係が良好でない場合、その飼育は心理的な負担となり、幸福感を低下させる可能性があります(Herzog, 2011)ともあります。
つまり、一般的には幸福感を増す効果がありますが、逆に不幸感を増すことがあるのです。幸福と不幸は表裏一体だからでしょう。
このため、ペットにお金を使うことが常に幸福感をもたらすわけではなく、状況や関係性によりそれは変わってくることがあることを認識しておくことが重要です。
ペットを飼うにあたっては、このことをを熟知しておく必要があります。
でも、のちに振り返った時、ペットを飼った経験自体を後悔する方は、おそらくいらっしゃらないと思います。
逆に、あの時ペットを飼えばよかっとと、後悔してる方は、結構いらっしゃると思います。
一般的にものでなく、経験にお金を使う方が、満足度が高いことはよく知られています。これには、瞬間的に不幸な経験があったとしても、時がたてば、それは良い思い出になるという意味が含まれているのだと考えます。ですから、時が経ち、振り返った時に、ペットを飼ったことは後悔しないのだと考えます。
ペットを寿命まで飼うことは、人生の経験の中でも最たるものの一つだと考えています。なぜならば、自分の人生を振り返る時、自分の飼ったペットを思い出さない方はいないと考えるからです。
もし、熟慮の末、ペットを飼うことを迷っている方が、おられましたら、思い切って、決断しましょう。後悔はしないはずです。
ちなみに、さっき、1年前に、長期間の闘病の末、ワンコ亡くされたご婦人が、「今度は、元ブリーダー犬の7歳の栄養状態の好ましくない保護犬を飼うことになりました」と、ご挨拶にいらっしゃいました。
以前のワンコはめずらしい疾患であり、当時はかなりの治療費、ご家族の労力や時間を費やしましたが、「しばらくしたら、歯石とりと避妊手術をお願いします」と、おしゃっていました。
このワンコは病弱で、今後少々手間がかかるかもしれませんが、おそらくこの御婦人は、出費がかさんでも、不遇な環境から助け出し、ケアすることに大きな幸福感を感じているのでしょう。
抽象的に考えれば、ペットを飼うことは、利他的であり、利他的な行動は、自分の幸福感につながるのでしょう。この事実は、様々な思想や哲学、宗教の中に見られます。
私は、ペットを飼うと、時に、悲しい想い、苦悩や不幸を感じることがありますが、のちに振り返れば、必ず幸福感を感じると考えています。
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