2021/03/22
片玉だけ、取ることもありあます。
片玉だけは、ルール違反?
ふじみ野市の大井みどり動物病院です。犬の玉、精巣、の話です。
玉袋に玉が一個しかないワンちゃんが、たまにいます。
普通、もう一個はどこかにあります。お腹の中の膀胱の近くか、ももの内側の皮膚の下に隠れています。
隠れている玉は、腫瘍になる確率が、普通よりも、10倍以上高くなります。このため、玉は手術で取るのが良いです。
動物病院ではこの手術はよくあり、隠れている玉と、普通の玉と同時にをふたつ取ることは日常です。
ですが、今まで、この隠れている方だけを取ったことが、2回あります。1個残したのです。普通ではあり得ません。
1回目は、もともと、去勢手術をしたくない方。
2回目は、どうしても、子供が欲しいので、玉を残しました。そして、子供を授かりました。
一見、これらは正しく思われるかもしれませんが、獣医学的にはそうは言い切れず、また、獣医師によって、意見が別れるかもしれません。
特に、獣医学では、片玉の場合は、お嫁さんをもらわない方が良い、という見解が一般的です。なぜなら、それが子孫に繋がり、広がっているしまうからです。もしかしたら、様々な奇形の発生や難産を惹起するかもしれません。
そのため、正確には、1頭目のワンちゃん手術は良いとしても、この2頭目のワンちゃんの手術は獣医学的な正しさには、疑問が残ります。
手術の前、2頭目のワンちゃんの飼い主さんは、そのリスクがあっても、子供が欲しいと、おっしゃいました。それらのリスクを、よく理解されたので、私はその普通でない手術を請け負いました。
獣医学的正しさが、いつも正しいとは限りません。いわば、獣医学はマニュアルです。動物の種類も様々、それを飼っている人も様々で、色々な思想や考え方おり、マニュアルにない方法が、一番の正解のこともあります。
その一番の方法を提示するのが、獣医師の役目です。獣医学と獣医師の正しさは違うことがあります。
多分、「師」がつく職業、教師、看護師、庭師、などは、この素因が大きな職業ではないでしょうか?
玉の話から、獣医師観に、飛躍してしまいましたが、当院では、この考えのもと、医療に携わっています。忙しい時期であり、あまりじっくり話せませんが、そこは、何卒、ご容赦ください。
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