2021/07/27
夢のような2ヶ月
ふじみ野市の大井みどり動物病院です。
腸にしこりがあり、他院で「消化器型リンパ腫」と診断されていた猫さんがセカンドオピニオンでいらっしゃいました。
もともと6kgあった、大きな猫さんですが、2kgしかなく骨と皮の状態でした。
食欲もなく、吐き気もあります。お腹を触診すると、腸に卵大のしこりがあります。このしこりにより、消化物がながれにくくなっていることで、吐くのです。末期で、栄養状態が悪く、非常に厳しい状態でした。
ご家族には、「長くないのは覚悟しているが、このまま何もしないのは不本意であるので、治療を受けたい、もう少し、一緒にいる時間が欲しい、入院はしたくない、最期は看取りたい。」という要望がありました。
リンパ腫は「がん」のひとつで、抗がん治療が標準がですが、、副作用の問題があり、状態が悪いと、そのリスクが高くなり、かえって、逆効果になることがあります。治療により状態が更に悪化することは避けなけれなりません。この猫さんに重い副作用がでると致命的でしょう。
この猫さんの場合は、特に、吐いたり、下痢を起こしやすい、抗がん剤は避け、比較的マイルドなのも選択する必要があります。
更に、抗がん剤は、静脈に確実に投与しなければなりませんが、腕の血管が、留置針の幅と同じくらいしかありません。血管確保は超難関です。
獣医師としては、非常に難題ばかりです。今までの経験や知識を総動員しました。また、通常であれば、「しないこと」も、総合的なメリットを優先し、不本意ながら行わらざるを得ません。
これらをわかりやすく説明し、ご理解をいただくのも大変ですが、ご家族のご理解力が抜群だったため、治療法や副作用の理解だけでなく、こちら真意を汲み取っていただいたので、非常にやりやすかったのは幸いです。
卵大の腸のしこりは、一度、触知できないほど、小さくなり、食欲と元気を取り戻しました。
でも、やっぱり、最期の時が、近づいてきました。
ご自宅で見送る直前、最後の診療日、ご家族から、「夢のような2ヶ月だった。」とのお言葉をいただけたことは、非常に光栄に思います。
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